ご挨拶

全国青年司法書士協議会 会長 坂田亮平
第52回全青司しずおか全国研修会開催にあたり

全国青年司法書士協議会

会長坂田 亮平

Ryohei Sakata

 今回で52回目を迎える全青司の全国研修会は、静岡県青年司法書士協議会の主管により、静岡県静岡市において開催されます。
本研修会のテーマは「なんとかならんか!」です。1872年の司法職務定制以来の150年を超える司法書士の歴史を振り返ると、目の前の市民の抱えた問題に対して、共に「なんとかならんか!」と考え行動し、愚直に寄り添ってきた姿が浮かび上がります。司法書士は、市民のために、登記、裁判所提出書類作成、後見、簡裁代理と活動の領域を徐々に拡大し、またそれを市民のために還示するというサイクルの中で、必要とされる形に進化を遂げてきたと言えます。
 さて、令和元年に改正された司法書士法の施行により、使命規定が創設され、改めて「司法書士は、この法律の定めるところによりその業務とする登記、供託、訴訟その他の法律事務の専門家として、国民の権利を擁護し、もつて自由かつ公正な社会の形成に寄与することを使命とする。」(司法書士法第一条)ことが宣言されました。私たちは、今一度、この意味を噛みしめ、日々の業務に当たる必要があります。
 社会が進化していくためには、様々な課題を克服しなければなりません。現代の社会は、先人たちが様々な社会問題に対して「なんとかならんか!」と奮起し、闘ってきた結果の産物と言えます。ところが、貧困や差別の問題はいまだに社会に蔓延しています。こうした中、司法書士は法律家として、自由かつ公正な社会の形成を目指し、市民と共に社会問題に対して「なんとかならんか!」と声を上げていく役割を担っています。私たちは、常に目の前の業務に大きな社会問題が潜んでいることを忘れてはなりません。その本質に気づくマインドや、実際に問題を解決する勇気と行動力、問題を解決する技術を身につけることも重要です。
 全国研修とは、全国から青年司法書士が集い、実行委員会の思いの詰まった基調講演や、最先端の分科会を通じて、実務上の課題、そして、社会問題を突破していくための新たな視点が見つかる場です。2024年11月2日、3日は、是非とも静岡にお越しください。明るい未来のために、共に学びましょう。全国の皆様と静岡の地でお会いできることを心から楽しみにしています。

全国全青司法書士協議会 会長 坂田亮平
第52回全青司しずおか全国研修会開催にあたり

全青司しずおか全国研修会

実行委員長櫻井 健一

Kenichi Sakurai

 こんにちは。しずおか全国研修会の実行委員長の櫻井健一です。
 しずおか全国研修会のテーマは「なんとかならんか!」です。
 私は補助者時代に修業した事務所の先生の影響もあるのかもしれませんが、基本的に依頼を断らないことにしています。
 しかし、当然未熟な私に全ての案件を完璧にこなすことなどできるはずがありません。それでも私にとって依頼者からの依頼を断ることは助けを求めている方の手を振り払う行為のような気がしてなるべくしたくありません。
 その結果、経験のない仕事を手探りでやることになります。そして後から振り返ってみると、もっといい対処方法があったのではないかと悔やむことも少なくありません。
 それでも私はなんとかならんか!と自分ができることを考えているつもりです。
 また、私は法令に対しこれはおかしい、なんとかならんか!と考えることがあります。本来人の為に存在している法令であるはずですが、その法令により苦しんでいたり無用な負担を強いられている方がいます。
 しかしなんとかしたい!との気持ちがあってもそのための知識や技術が無ければなんともなりません。
 今回の研修では皆さまに世の中にある問題をなんとかしたい!と考えていただき、私達司法書士にはその力があるのだと気付いていただきたいと考えています。
 そして、今回の研修ではそれらの問題をなんとかするための考え方や知識・技術を持った方々の貴重なお話を聞くことができます。
 私達司法書士が「なんとかならんか!」と世の中に存在する問題に立ち向かうことによって、司法書士の使命である「自由かつ公正な社会の形成に寄与する」ことができるのではないでしょうか。
 静岡の地においでいただき、皆様と共に学びを深められることを楽しみにしております。

全国全青司法書士協議会 会長 坂田亮平
第52回全青司しずおか全国研修会開催にあたり

静岡県青年司法書士協議会

会長牧野 賢努

Kento Makino

 全国の若き同職の皆様に静岡の地へお集まり頂き、「なんとかならんか!」をテーマに全国研修会の開催の機会を頂けましたことを、静岡県青年司法書士協議会を代表して心より御礼申し上げます。
 昭和40年、日本司法書士会連合会が全国研修会の継続的な開催を決定しました。ところがその後の法務省民事局からの日司連全国研修会の内容の批判を受け、昭和47年に日司連 全国研修会は廃止、同年から全国青年司法書士協議会を主催団体として、これまで51回、うち静岡で3回、そして、今回で4回目となる第52回の全青司全国研修会を静岡で開催することができ、その受け継がれた歴史の重さを感じながら、また一つその歴史を刻めることを大変光栄に思います。
 更に遡ること司法書士の約150年の歴史は、いつの時も安泰な時間を過ごすことの許されないものでした。「代書屋」、「書士」、時には「劣位下等な職能集団」と評されたこともありました。それでも、未だ見果てぬフロンティアを追い求めて“正念場”を乗り越え、困難を“突破”してきた先人達の努力があったからこそ、今の私たちがあります。この現実に満足しない“なんとかならんか!”とする反骨精神に満ち溢れた姿勢は、いつの時代の司法書士にも普遍的に求められる姿勢でしょう。受け継がれた歴史を自分の利益のためだけに利用する目的でこのパンフレットを手に取る人はいません。
 初めて静岡県青年司法書士協議会が全国研修会の主管会を引受けた第20回全青司静岡全国研修会のパンフレット、静岡全国研修会趣旨の冒頭は、「司法書士が『我々は法律家である』と自認してから久しい。」と始まります。今の私たちが自らを「法律家」と呼ぶとき、どこか恥ずかしさや背伸びをしている感覚はありませんか。その恥ずかしさや背伸びしている感覚が、今日の雲一つない青空のように鮮やかに晴れたときに依頼者や国民、或いは社会が私たちのことを「法律家」と呼んでくれると信じています。
 私たちが未来をつくりましょう。襷を自ら受け取ることを選択した私たちは、司法書士の未来をつくる必要がある。